既存の治療薬によってもリウマチの勢いを十分に止められない場合、生物学的製剤の導入を考えることになります。
最新のバイオテクノロジーを駆使してつくられた、この生物学的製剤の特徴を簡単にまとめてみると、
・長所:効果がケタ外れに強力。
・短所:高価である。感染症などにより注意が必要。
ということになります。
さて、では現在いくつの製剤があるのでしょうか。2003年に初登場して以来すでに6種類がラインアップされています。
表にまとめますの以下のようになります。
製剤名 | 作用 | 投与法 |
---|---|---|
レミケード | TNFα阻害薬 | 点滴(原則8週毎) |
エンブレル | TNFα阻害薬 | 皮下注(週に1ないし2回) |
アクテムラ | 抗IL-6抗体 | 点滴(4週毎)・皮下注(原則2週毎) |
ヒュミラ | TNFα阻害薬 | 皮下注(2週毎) |
オレンシア | T細胞の調整 | 点滴(4週毎)・皮下注(週1回) |
シンポニー | TNFα阻害薬 | 皮下注(4週毎、1回に2本に増量可) |
シムジア | TNFα阻害薬 | 皮下注(2週毎、4週毎に変更可) |
※レミケードはメトトレキサート(商品名リウマトレックスなど)を併用することが必須条件です。(副作用その他のためにメトトレキサートが使用できない方はレミケードを使用することができません。)
ご覧の通り、点滴製剤が3種類、皮下注製剤が3種類です。皮下注射は簡単にマスターでき、自己注射が可能です。当院の患者さんもほとんどが自己注射で使用しています。
作用の違いによる効果の違いはほとんどないといってよいでしょう。
薬剤費についても大きな違いはなく、3割負担の方で概ね4万円近くになります。従来の医療費に4万円弱上乗せされるということです。
この表を漠然と眺めてもなかなかどれを使いたいか答えは出ないと思います。考えるヒントとしては、自己注射が可能か否か、できない場合は頻回の通院が可能か否か、点滴の場合は間隔がどのくらいが良いのか、そのあたりで大方の目安をつけ、あとは医師と相談の上きめてください。