・マスクの効果について
インフルエンザや風邪の多くの原因であるウイルス感染は、基本的に咳やくしゃみによる飛沫感染と接触感染によります。(インフルエンザは一部空気感染によるという報告もあります。)マスクの着用はインフルエンザや風邪の患者さん自らが着用すれば周囲への飛散を防ぐという意味で効果があります。一方風邪を引いていない人が人から感染しないためにマスクを着用するというのは余り効果は期待できません。ただし、マスクを着用することにより鼻腔の温度や湿度を保ち、ウイルスの増殖を防ぐという意味はあると思います。
・手洗いについて
接触感染のルートとしては、バスや電車の吊り革やドアの取っ手、硬貨が重要です。ウイルスは布などの上では15分程度しか生きていませんが、表面が平滑な効果やドアの取っ手などの上では24~48時間生存することがわかっています。ですので、外出から帰ったときや硬貨に触れた後は入念な手洗いが重要です。ただし、手洗いも石鹸と流水で30秒程度洗えばウイルス量は百分の一程度まで減らせます。またアルコール消毒ですと15秒程度手をまんべんなく消毒すれば千分の一までウイルスを減らすことができます。
・うがいについて
うがい薬としてイソジン(ヨード液)うがい液がありますが、水によるうがいと比較したところ、風邪の予防効果は同程度だったと報告されています。一方、今注目されているのは緑茶と紅茶です。カテキンやテアフラビンという抗酸化物質であるポリフェノールの一種が含まれておりウイルス、特にインフルエンザウイルスの増殖を抑制することがわかっています。うがいをしなくとも、頻回に少量ずつ喉を潤すことは喉の乾燥を癒し、さらにウイルスの増殖を弱めることができるのでおすすめです。